大判例

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東京高等裁判所 昭和32年(ラ)371号 決定

思うに、会社更生手続は、「窮境にあるが再建の見込のある会社について、債権者、株主、その他の利害関係人の利害を調整しつつ、その事業の維持更生を図ることを目的とする」(会社更生法第一条)のであるから、同法第三八条第五号にいう「更生の見込がないとき」にあたるかどうかを判断するには、当該企業の将来の収益見込、発展性等企業自体の客観的状態を第一に考慮しなければならないことはいうまでもない。しかしながら、更生手続は、更生手続開始の決定後管財人その他の者が作成した更生計画案につき裁判所の認可を受け、これにより効力を生じた更生計画を遂行することにより行われるべきところ(同法第一八九条、第一九〇条、第二三二条、第二三六条、第二四七条等参照)、更生計画案につき裁判所の認可を受けるには、その前提として更生債権者、株主その他の者の構成する関係人集会における可決を絶対の要件とし(同法第一九二条、第二〇〇条、第二三二条等参照)、もし否決されたときは、裁判所は更生手続を廃止すべきであるから(同法第二七三条参照)、更生手続の開始前相当額の更生債権を有する債権者らが更生手続の開始に反対し、かつその反対の意思が強固であつて、たとえ裁判所が更生手続開始の決定をなし更生計画案の作成、関係人集会の招集等その後の手続を進行せしめても、とうてい関係人集会において更生計画案の可決される見込がなく、しかも右債権者らの反対が全くの恣意に基く等会社更生法の目的に照し考慮に値しない事情によるものでない場合には、更生手続の遂行はとうていこれを期待することができないのであるから、結局「更生の見込がないとき」にあたるものと解するのが相当である。したがつて、更生手続の開始についての更生債権者らの賛否の意見もこれを更生の見込の有無の判断につき斟酌しうべきであることは当然であつて、抗告人らの前記(2)の主張は理由がない。

(渡辺葆 牧野 青山)

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